発電機とモータの違い

発電機とモータは、同じものともいえるし、逆の機能を持つものともいえます。おもちゃに入っているモータを頭に思い浮かべてみてください。金属の端子が2つと、回転する軸がついていると思います。

この端子に電気を流すと、軸が回転します。このとき、この装置をモータと呼びます。

では今度は、端子に豆電球をつなぎ、軸を手で回転させるとどうなるでしょう?なんと、豆電球に明かりが点きます。このとき、この装置を発電機と呼びます。

使い方によって機能が変わり、呼び方が変わるのが面白いですよね。

実際には、回転運動を利用するために機能を特化させたものをモータと呼び、発電用に機能を特化させたものを発電機と呼んでいます。

発電機(ジェネレータ)とは

基本原理

発電機の基本原理はとてもシンプルです。電磁誘導という現象を利用します。電磁誘導とは、コイルに永久磁石を近づけたり離したりすると、コイルに電流が流れる現象です。発電機にとって重要なのは、「いかに電流を効率よく発生させるか」です。

効率よく電流を発生させるために、さまざまな要因を検討する必要があります。コイルの巻数・コイルの銅線の太さ、ローターコアの損失性能・積層枚数・一枚あたりの厚さ、永久磁石の磁力など。

原理はシンプルではありますが、性能を左右する要因が多数あること、かつコストとのバランスも考慮が必要です。設計開発作業は非常に複雑なものがあります。

構成(仕組み)

基本構成物は、永久磁石とコイルの2部品となります。向かい合わせにした磁石と磁石の間にコイルを配置し、コイルもしくは磁石を回転させることで、コイル周辺の磁場が変化し、電磁誘導が発生して電流が生まれます。この仕組みが発電機の基本となります。

コイル・磁石をどのように配置するか、発生した電流の流れる道をどのようにコントロールするかによって、直流発電機、交流発電機、三相交流発電機など、さまざまな種類に分けられます。

機能

発電機の機能は運動エネルギーを電気エネルギーに変換することにあります。ラジオや懐中電灯などに埋め込まれた手回し発電機をイメージするとわかりやすいと思います。ハンドルを回す運動エネルギーを電気エネルギーに変換することで、ラジオの音声が聞けたり、懐中電灯を点灯させたりできます。手回し発電機には、構造が簡単な直流発電機が使われますが、この直流発電機は大きな電力を発生させるには不向きです。

工事現場や発電所など、大きな電力を発電するには、交流発電機や三相交流発電機が使われます。ガソリンの燃焼エネルギーや、ダムに溜めた水を落下させる際のエネルギーで発電機の軸を回転させ、電気エネルギーに変換します。交流発電機は家庭用電源である単相交流を出力します。三相交流発電機は、工場やオフィスなどで使われます。大電力を扱うには、その分構造は複雑かつ大型で重量が必要となってきます。

モータとは

基本原理

モータと発電機は、基本構造は同じであるものの、原理は異なります。モータは、永久磁石と電磁石の反発力・引き合う力を利用して回転しています。

コイルに電流を流すと、電流が流れている間だけ磁石として機能します。これを電磁石と呼びます。電磁石は、電流の流れる方向によってN極S極の位置が変化します。すなわち、電流の向きをコントロールすることで、N極S極の位置を自由に決められます。

この特性を利用して永久磁石と電磁石を反発させたり引き合わせたりすることで、回転運動を生み出しています。

構成(仕組み)

基本構成物は発電機と同じく、永久磁石とコイルの2部品となります。これに加え、前述した電流の向きをコントロールするための構造が必要となります。

電流をどのようにコントロールするかで、モータの種類は分けられます。物理的な整流子をつかうものをブラシ付きモータ、整流子を使わず電子回路を使うものをブラシレスモータ、ブラシレスモータの中でも、電流のコントロール方法でさらに細分化されます。(ステッピングモータ、三相モータなど)

機能

モータの機能は、発電機の逆で電気エネルギーを運動エネルギーに変換することにあります。扇風機や洗濯機など、スイッチを入れると回転する機構が目に見えるものは、モータが入っていると考えて間違いないでしょう。

回転する力を利用して、さまざまな用途に使われます。車、エレベータ、スマホのバイブレータなど、「動くもの」のほとんどはモータの働きによって実現されています。モータは、すでに私たちの生活に溶け込んだ、身近で欠かせない存在といえます。

発電機を製造依頼する際の注意点

目的を明確にする

どういう用途を目的とするかで、発電機として必要なスペックが決まります。ここがズレてしまうと、押さえるべきポイントが抜けてしまい、実際に使用するときに不具合が発生したり、過剰な機能を追加してコストが上がってしまったりするなど、設計失敗につながりかねません。

家庭用のものなのか、工事現場用のものなのか、非常用のものか、常時使うものか、売電の系統連系用かなど、目的を明確にすることがとても大切です。

確保したい発電量を明示する

例えば発電機を使って電気機器を稼働させる場合、その電気機器が必要とする電圧・電流・起動電流をよく見極める必要があります。発電量が不足すると、当然ながら電気機器が使用できません。こういったトラブルを避けるために、事前にすり合わせが必要となります。

どれくらいの発電量を確保したいのか。電圧・電流の必要量はどれくらいか。直流なのか交流なのか、交流であれば周波数はいくつか。各条件をご明示いただけると、より良いものがご提案できます。

確保したい回転数を明示する

発電に使用する回転数がどの程度確保できるのかによって、寿命設計や部品選定などが変わってきます。高速回転を確保できると、より良いご提案が可能です。また、回転数は安定しているほど発電力も安定できるので、回転機構の情報などをご提示いただけますとありがたいです。

ユニテックの三相交流発電機

ユニテックでは、概ね1,300rpm程度からの回転数に最適化された発電機をご提供可能です。

発電機単体の効率でみると80%以上の効率があります。風力発電向けに開発された個体なので、稼働レンジを広く設定できます。定格1kwの物でも最大3.2kWまで稼働する設定にもできます(※諸条件あり)。

お客様が求める出力・形状の発電機をご提供可能ですので、詳しくは製品紹介ページをご覧ください。お見積り依頼や技術的な相談は、当サイトのコンタクトフォームよりお気軽にご連絡ください。